Q.海外FX業者のNDD方式とは何ですか?NDD方式とDD方式の違いは何ですか?
Answer
DD方式とは
DDは「Dealing Desk(ディーリング・デスク)」の略称で、「投資家」の注文を「仲介者(ディーラー)」が判断して、リクイディティプロバイダー(カバー先)に注文が流れる仕組みです。
- 投資家 → 仲介者(Dealing Desk) → リクイディティプロバイダー(カバー先)
必要な分だけ仲介者が注文をリクイディティプロバイダー(カバー先)に流す、選定をしているのです。
NDD方式とは
NDDは「Non・Dealing Desk(ノン・ディーリング・デスク)」の略称です。DD方式とは異なり、「仲介者(Dealing Desk)」がなく、自動的にリクイディティプロバイダー(カバー先)に注文が流れる仕組みです。
- 投資家 → リクイディティプロバイダー(カバー先)
機械的に投資家の注文はリクイディティプロバイダー(カバー先)に流れます。
NDD方式とDD方式の違い
NDD方式とDD方式の比較
項目 | NDD方式 | DD方式 |
---|---|---|
FX業者が注文を呑む | × | ○ |
FX業者による取引操作 | 不可能 | 可能 |
スプレッド | 広い | 狭い |
スキャルピング | ○ | × |
透明性 | 高い | 低い |
DD方式のメリットデメリット
DD方式の場合は
投資家の注文をFX業者が呑む形がメインになります。
投資家の注文をFX業者が呑むということは・・・
- 投資家の損失 → FX業者の利益
- 投資家の利益 → FX業者の損失
という「利益相反」の関係となります。
FX業者は、自社の利益を増やすために
- 負けやすい投資家を欲しがる(初心者向けのサービスが多くなる)
- 勝つ投資家はいらない(上級者向けのサービスが手薄になる)
ことになってしまうのです。
これが最大のデメリットと言えるでしょう。
DD方式の国内FX業者を利用していると、初心者向けのサービスやツールが充実している反面、勝てる投資家は敬遠され、とくに優遇されることがないのです。
また、DD方式の場合は、スキャルピングが禁止されていることが少なくありません。これは、注文をリクイディティプロバイダー(カバー先)に流すかどうか?のジャッジを数秒、数十秒の時間ではできないからです。投資手法にも制限がかかってしまいます。
一方で、DD方式の場合にはメリットもあります。、
- 投資家の注文をFX業者が呑む = 実際に注文を流さないため、コストがほぼ発生しない
のです。
だからこそ、国内FX業者は「米ドル/円 原則固定0.2銭」というような、狭いスプレッドでサービス提供できるのです。
NDD方式のメリットデメリット
NDD方式の場合は
投資家の注文は、自動的にリクイディティプロバイダー(カバー先)に流れることになります。
FX業者の収益は「スプレッドの上乗せ分(マークアップ分)」+「取引手数料」だけですので
- 投資家の取引が多くなる → FX業者の利益が増える
- 投資家の取引が少なくなる → FX業者の利益が減る
という「パートナー」の関係となります。
FX業者としては、自社の収益をあげるためには、取引量を増やしてもらう必要があるため、投資家に儲けてもらうしかないのです。
投資家の儲けが増やすためのサービスが充実します。
- 高度な取引ツール
- 自動売買
- ボーナス
- 上位の口座タイプ
- 専用マネージャー
- スキャルピングや両建ても可能
- 取引商品が多い
などです。
投資家とFX業者が同じ目的のために協力するのが、NDD方式のメリットと言えます。
一方で、NDD方式の場合にはデメリットもあります。、
- 投資家の注文すべてをリクイディティプロバイダー(カバー先)に流す = すべてにトレードコストが発生する
のです。
当然、注文を呑んで一部しかカバー先に注文を流さないDD方式と比較すると、NDD方式の方がコスト高になり、その分、スプレッドが広くなってしまうのです。
まとめると
DD方式のメリット
- スプレッドが狭い
- スプレッドが安定している
DD方式のデメリット
- 投資家とFX業者が利益相反になる
- 透明性が低い
- スキャルピングが禁止されているところが多い
- リクオート(約定拒否)が発生する
- 初心者向けのサービスが多い
NDD方式のメリット
- 投資家とFX業者がパートナー関係になる
- 透明性が高い
- スキャルピングが可能
- リクオート(約定拒否)なし
- 投資家が稼ぎやすくなるサービスが多い
DD方式のデメリット
- スプレッドが広い
- スプレッドが不安定(常に変動する)
NDD方式の種類
NDD方式には
- STP取引
- ECN取引(電子取引所取引)
の2種類があります。
STP取引とは
STP取引は「Straight Thwough Processing」の略称で、先ほど説明したNDD方式の一般的な取引方法となります。
FX業者が投資家の注文を自動的にあらかじめ決まっているリクイディティプロバイダー(カバー先)に流す取引方法です。
ECN取引とは
ECN取引は「Electric Communications Network」の略称で、日本語では「電子取引所取引」と言われる取引方法です。オンライン上でECNネットワークに参加している投資家や金融機関などが「買い」注文、「売り」注文を出し合って、価格が折り合ったときに約定する仕組みとなっています。日本では、株式取引などで採用されている取引方法です。
NDD方式で一般的なのはSTP取引です。
ただし、海外FX業者などでは、ECN取引用の口座も用意していることが多くなっています。
ECN取引の特徴としては
- スプレッドの上乗せ(マークアップ)がない分、スプレッドが狭くなる
- スプレッドがない代わりに取引手数料が有料となる(これがFX業者の取り分となる)
- トレードコストは、STP取引よりも安くなる
- 板情報が見れる
- 約定拒否がない
- 市場参加者が多い、少ないで流動性が変わってくる
- 大口の取引も可能
という点が挙げられます。
NDD方式を採用している海外FX業者
海外FX業者であれば、すべての業者がNDD方式を採用しているわけではありません、また、困ったことに「NDD方式を採用している」と言っていても、実際はDD方式でサービス提供している海外FX業者もいるので注意が必要です。
下記は、NDD方式を採用していると判断できる海外FX業者です。
下記はDD方式の可能性がある海外FX業者です。