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MUFGのAPI開放で銀行もFinTechのAPI エコノミーの一員へ

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(写真=FinTech online編集部)

 

豊富に連携することで新たな経済圏をFinTechでも作り出すとみられてきたAPIの活用がついに銀行にも波及してきた。大手行の銀行API公開で、新たなフェーズに突入していきそうだ。

銀行APIも始動し、「MUFG {APIs}」がFinTechアプリ・Webサービスの進化を促進

銀行API公開という大きな一歩をこのほど踏み出したのは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)。同社は3月6日、銀行APIを含むAPIプログラム「MUFG {APIs}」を立ち上げ、銀行サービスのAPIも公開することを明らかにした。

IT・ICTの分野で使われてきたAPIは自社システムへの外部からのアクセスを容易にし、インターネットや他社のアプリとの連携を可能にする仕組み。データの共有などを通じて新たなサービスやアプリを作る方法の一つとして注目されてきており、MUFGではカブドットコム証券や三菱UFJ国際投信が先行してAPIを公開し、株式などの売買発注た残高照会の機能、三菱UFJ国際投信のインデックスファンド 「eMAXIS」のデータ・情報の取得といった機能を開放してきた。

今回、MUFGは、カブドットコム証券と三菱UFJ国際投信のAPIに加えて、銀行のAPIの開放を開始。法人・個人の双方の銀行サービスを外部企業が活用できる体制を整備したことになり、家計簿アプリやクラウド会計サービスに代表されるFinTech企業もこれにより、銀行サービスを自社のWeb サービスやアプリに組み込めるようになる。

FinTechのAPIエコノミーを豊かにし、FinTechサービスのさらなる進化を促す効果も期待できそうだ。

法人・個人の銀行サービスへアクセスを実現

その銀行APIの公開についてMUFGのCIOを務める村林聡氏は「MUFGが金融機能をAPIを外部に開放し、大企業からベンチャー企業まで連携し、APIを利用していただくことで革新的なサービスを目指す」と銀行API開発の意義を語る。

またデジタルイノベーション推進部でシニアアナリストを務める藤井達人氏は銀行APIの公開について「いずれは銀行APIを活用するのが当たり前になる、出来るだけ早く公開しようと開発を進めてきて、公開に至った」と解説する。

MUFGが公開する銀行APIとしては、法人向けの「BizSTATION API」が4月から運用を開始する予定で、「認証」「残高/入出金明細の照会」や「振り込み」などの機能の提供が始まる見通しだ。また「振り込み結果照会」や「総合・給与振り込み申請」、さらには「特別徴収地方税の納入」といった機能のAPIの公開も予定しており、APIの機能ライナップも将来的にさらに拡充する予定だ。

また個人口座向けの「リテールAPI」の準備も進んでおり、藤井氏は「2017年の秋をめどに、認証、残高/入出金明細の照会は2017年秋をめどに公開する」と今後の見通しを語る。ほかにもMUFGによれば、個人向けの「振り込み」「外貨」の取り引きや、「融資」のAPIの提供準備が進行中だという。

併せてMUFGは、開発者向けのサイト「MUFG APIs Portal」を設置、公開する予定で、APIの開発者らの支援も行う。サイト上で開発者らは、APIの仕様の情報を確認できるほか、サンプルコードを探したり、APIのデモ環境の利用を申請したりでき、自社サービスに銀行APIを取り入れる際の資料を見つけられる。

現在ではすでに、freeeが4月からMUFGの銀行APIを活用して、自社のクラウド会計サービスに振り込み処理の自動化で強化する計画を進めており、オープンAPIの連携も早速実用化される見通しだ。

MUFGと銀行APIの連携開始を計画している会社にはさらに、オービックビジネスコンサルタントやJDL、リクルートファイナンスパートナーズ、TKC、弥生、マネーフォワードなどが名前を連ねており、今後どのようにFinTechのAPIエコノミーが成長していくのか、注目する必要もありそうだ。(FinTech online編集部)

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