Home / キャリア / 横浜銀行「地方銀行が目指すフィンテックの姿 横浜発のフィンテックで神奈川を盛り上げたい」

横浜銀行「地方銀行が目指すフィンテックの姿 横浜発のフィンテックで神奈川を盛り上げたい」

【Sponsored】
【Sponsored】

 

インタビュー:横浜銀行 加藤毅 営業企画部 金融テクノロジー事業化推進室グループ長

地方銀行のなかでもフィンテックへの取り組みに注力している横浜銀行。国内で最初にビッグデータを活用したEBM(Event Based Marketing)に取り組み、特許を取得。来春にはスマホを使った決済サービスを開始、オムニチャネル化や人工知能(AI)の活用も進めている。その中心となっているのが、金融テクノロジー事業化推進室だ。加藤氏も日銀ワークショップの委員を務めたり、地銀24行による研究会を取りまとめたりと行内外で精力的に活動している。いま横浜銀行が求めているフィンテック人材とはどのような人材なのか。また同行が実現をめざす「横浜銀行なりのフィンテック」とはどんなものなのか。

銀行業でも小売業的要素が強くなっている

――FinTech(フィンテック)が昨今、大きなトレンドになっています。

今は50年に1度くらいのイノベーションの波がきていると思います。銀行のシステムでは、今から50年ほど前、オンラインで処理ができるようになり、ATMが出現するなど、大きなイノベーションがありました。50年経つ間にも小さなイノベーションはあったものの、今来ているのが第2のイノベーションではないかなと感じています。

2014年から日銀のワークショップに参加しているのですが、このときは「FinTech」という言葉を使わず、「ITを活用した金融の高度化」と言っていました。2年前はまだ「FinTech」という言葉が市民権を得ていませんでした。ただ昨年あたりから、金融庁や日本銀行で、「FinTechサポートデスク」や「FinTechセンター」のように組織体や会議等でFinTechを使うようになり、マスコミにも頻繁に登場し、これはもう単なるバズワードではなくて、今後の大きな流れを象徴しているのだと思っています。

――銀行の業務はどう変わってきたのでしょうか。

昔の銀行の業務は預貸、預金を集めて貸し出しをすることが中心でした。今もこれは重要な業務ですが、最近は投資信託や保険など他社の製品・商品を売るという小売業的要素が高まっています。

小売業で利益トップの企業はセブン(セブン&アイ・ホールディングス)さんですが、彼らはデータをとても大事にしている。POSを活用して、売れない商品はすぐに陳列をやめるとか、店舗によって細かな、たとえば「近所に運動会があるからお弁当の仕入れ増やそう」といったことをしている。「オムニチャネル」に取り組むなかで、単にチャネルだけではなくて、裏にあるデータベースが非常に彼らの価値創造の源泉になっている。

私たちも、今、オムニチャネル化を精力的に進めていますが、銀行もチャネルを単に「増やしていけばいい」のではなくて、そこから得られるデータを使ってお客様の価値観やニーズを知り、より便利に使っていただくにはどうしたらいいのかという、そんなことを考えなければいけないし、我々もその意識で取り組んでいます。

AIがつくったモデルでカードローン契約数が伸びた

――「AIが人間の仕事を奪う」という記事はよく見ます。

たしかにメディアではAIが人間に追いつく時代になったという書かれ方をしますね。

私たちがAIを使って得た成功事例をお話しますと、たとえばカードローンのターゲットモデル作成があります。従来は行員が、過去の経験から知恵を絞ってモデルをつくり、ローン契約をしていただけそうな方にDMを送るということをしていた。たとえば50件送って1件使っていただければ1/50と、ヒット率2%ですよね。そういうことをやっていました。

実は今回、AIにターゲットモデルを作らせたところ、我々人間が抽出しなかったお客様が7割ぐらいあったんですね。データセットを作るのには数週間かかりましたが、入力してモデルができるまでは数分です。それで実際、DMを送ってみたところ、ちゃんとヒットしたんです。

AIはどういう人にローンニーズがあるとかが分かるはずもないのに、人間では抽出が難しいくらいの膨大な情報量の中から、ちゃんと借り入れのニーズがある人を見つけてきて、実際に結果につなげたんです。

メディアは「人間が要らなくなる時代がやってくる」みたいな書き方をしたがるんですが、人間が要らなくなるのではなくて、人間がAIを有効的に利用する立場になるということだと思います。人間は忘れてしまいますし、担当者が変わると蓄積したノウハウがゼロになってしまうこともありますが、AIはそうではない。1回覚えたら覚え続けてくれますし、むしろ教えれば教えるほど学習して、かつ一生忘れない。電気さえつけておけば、24時間仕事もできます。

――実際、銀行ではどのぐらいITなどのリテラシーを今求められるのでしょうか?

従来の銀行のシステム部門は、勘定系の保守運用管理が最大の仕事で、その部門が一番強かった。たしかに1回止まると直接お客様に多大な迷惑がかかるので重要なセクションですが、預貸以外の業務が増えている今は、それ以外の部門もどんどん重要になってきています。

システムの開発手法も、以前はいつまでにこういう風に順番に開発していくという、いわゆるウォーターフォール式だったのが、フィンテックでは、例えばスマホアプリのように短時間でどんどん修正していくシステムが多く、自分で工程や手法をデザインする力が必要です。今までは、開発依頼書を書いて、予算を取ってプロジェクト作って、設計、開発、試験、本番稼動というように工程の順序が決まっていましたが、フィンテックではこのプロセスがフィットしなくなりつつあって、新しい方法を考えていかなければならない。

――採用後は加藤さんの部署(金融テクノロジー事業化推進室)への配属になるのでしょうか?

私の部署は行内のハブのようなところで、未知のサービスや新技術からのインキュベーションのような仕事はやりますが、実務展開に入ると、多くの仕事はそれぞれのラインに振り分けられます。なので人材次第ですね。決済系は業務開発グループ、オムニチャネルやスマホ関連は戦略企画グループ、マーケティングモデルや人工知能であればマーケティンググループといった形です。

フィンテックの推進部署が営業企画部所属の理由

yokohama002

――推進室は営業企画部所属なんですね。

経営企画部にという話もあったのですが、より地銀らしく「お客様目線のフィンテック」をやりたかったからですね。営業部門にいたほうが、日々、お客様や営業現場からの生の声がより多く届きますから。

欲しい人物像というと、ディレクターというかプロマネのような存在ですね。案件があったときに、どういう機能、どういう人材、どの程度の予算が必要で、これらをどう集めてプロジェクトを組めば上手くいくかを考え、企画書を作り、役員や関係者を説得し、自ら実行する。課題解決という点でコンサルタントに近いとも言えるでしょうか。ITでいうと、誰かから要件が与えられて設計書やプログラムを書くのではなく、ITを使ってどんな新しい価値が創造できるか考える上流工程に近いイメージです。

――面接や採用のフローと、働く場所としての御社の魅力を教えてください。

私がお会いして、同じ日に人事も面接します。2回、一次面接があるイメージです。一次面接、適性検査の結果を踏まえ、合格すると役員面接となります。

私が所属する営業企画部は100人ぐらいいて、半数近くが中途採用です。かなり多様性があって、いわゆる銀行員のイメージではない人も多いですね。昨年採用した方は広告代理店が長かったのですが、入ってすぐSNSや新しいWebサイトの立ち上げで大活躍しています。銀行員が作るよりも発想も豊かだし、きれいなものができている。どんどん上に上がってもいけるし、新しいことを自分で企画して提案できる。逆に「自分でやらないと誰もやってくれない」という部分はありますが、歯車の一部というイメージではないと思います。

――人事面での評価の制度とか仕組みは?

いわゆる総合職と一般職、地域限定職というコースの区分は一切ありません。全員同じ人事制度、人事体系、給与体系。挑戦の意欲次第でいくらでも業務の幅を広げられるような制度になっています。

評価は新卒も中途採用も同じで、単なる実績だけではなく、積み上げてきた経験から、その人の銀行員として、人材としてどうかという評価を年度ごとに行っています。経験値をどれだけ積み上げたか、周囲への影響力、チームで仕事をしているか、部下の面倒見が良いか……総合的に評価しています。

――やはり横浜銀行はフィンテックへの取り組みに注力されているイメージが強くあります。

週末に行員向けのフィンテックセミナーを開いたところ、休日にも関わらず募集と同時にすぐに満員になり、役員から新入行員まで100人以上が集まりました。

お取引先でも、フィンテック関連の企業もあれば、参入したいという企業もかなりあります。私たちは地銀なので、なるべく地元の会社とお仕事をしたいと思っています。現在、一部の支店で試験しているロボット(PALRO パルロ)は桜木町の駅前に本社がある富士ソフト製のものですし、SNSでは鎌倉のカヤックという企業と、いろいろな取り組みをしています。やっぱり地銀として、シリコンバレーよりは地元の会社と一緒に、皆で神奈川が盛り上がるフィンテックをやっていきたいんです。

【オススメ記事】
「人工知能が金融を支配する日」がくる前に日本の金融機関が置いていかれる
銀行エクゼクティブらの9割弱が「銀行の収益が奪われる」と確信
AIのリターン率は人間・クオンツの最高5倍「ヘッジファンド業績比較」
Amazonが現金払いサービス開始、プリペード感覚で利用できる「AmazonCash」
3メガバンクが取り組むフィンテックの動向 API、ブロックチェーン、ハッカソン……