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「未来の社会」を共創するビッグイベント 盛況のうちに閉幕「CEATEC JAPAN 2017」

「つながる社会、共創する未来」をキャッチフレーズに、2017年10月3日(火)~6日(金)にかけて幕張メッセで「CEATEC JAPAN」が開催され、計667社/団体が出展した。そのなかでも注目されたのがHALL4会場で開催された「IoTタウン 2017」だ。「社会課題を解決してSociety5.0を築く」をテーマに、さまざまな産業のフロントランナーが集結し、新たなビジネスモデルにつながるアイデアやパートナーとの共創を発信した。

「IoTタウン 2017」内の三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、「MUFG」)のブースでは、「フィンテックを活用した未来の金融サービスのかたち」をコンセプトに、三菱東京UFJ 銀行をはじめ、三菱UFJ信託銀行、カブドットコム証券、じぶん銀行の4社が出展。ブロックチェーンやIoTを用いた新しいデジタル通貨のほか、先端技術を活用した顧客対応技術、AIを活用したフィンテック・サービスを展示、公開した。

ここからは、MUFGが発表した技術やサービスを詳しく紹介する。

三菱東京UFJ銀行

「CEATEC JAPAN」内の三菱UFJフィナンシャル・グループのブース
プライベート・ブロックチェーン技術を利用した「MUFG コイン」のシステムを体験できるスペース

・ 初公開された三菱東京UFJ銀行のデジタル通貨「MUFGコイン」
「MUFG コイン」は、三菱東京UFJ銀行が開発している新しいデジタル通貨だ。1 MUFGコイン=1円の価値を持たせており、2017年度から同行の行員を中心に利用を開始している。現在は、行員同士の送金、行員同士の飲食での割り勘などに利用しながら、システムの安定化や送金・決済などのスピードを検証している。

基幹技術としてブロックチェーンを採用しており、今後、安価でリアルタイム性の高いP2P送金を実現するだけでなく、小数点以下を活用したIoT決済など、新しい決済体験を顧客に提供していくという。一般公開の時期は未定だが、システムの安全性や安定性を最優先して開発を行なっている。

展示会場では、IoT機器化されたダンベルと連動して、スマートフォンのウォレットにコインが貯まるデモが展示された。貯めたコインで決済できる自動販売機も展示され、QRコードを利用して実際に来場者がドリンクを購入できる体験も可能となっていた。

「3Dコンシェルジュ」は、バーチャル行員が臨場感と共に顧客応対を行う技術

・ スポーツやコンサートなど、3Dで感動を共有 イマーシブテレプレゼンス投影技術「Kirari!」
NTTコミュニケーションズが提供したイマーシブテレプレゼンス投影技術「Kirari!」を利用した「3Dコンシェルジュ」を公開。

「Kirari!」はもともと、スポーツイベントなどで選手の映像・音声のみならず、選手の置かれた空間や環境の情報を伝送し、伝送先においてプロジェクション・マッピング技術で、音とともに3D再現する技術だ。

三菱東京UFJ銀行は、この技術をバーチャル窓口応対に活用する研究を行なっている。たとえば、店舗における顧客応対において、専門家の支援が必要な場合などに、この3Dコンシェルジュを使って別の場所にいる専任担当者が画面を通して応対する、というものだ。顧客は目の前の担当者と実際に話をしているように感じることができるため、リモートであってもあたかも目の前に人がいるような体験ができる。

このほか三菱東京UFJ銀行ブース内では、AI による応対ロボット「NAO」や、オープンAPI「MUFG APIs」、MUFG Digital アクセラレータ、オウンドメディア「MUFG Innovation Hub」、イノベーション・ラボなどの展示を行った。

じぶん銀行

為替相場の変動を顔アイコンで表示してくれる、外貨預金サポートツールの「AI外貨予測」

・ 外貨の上昇タイミングを知らせてくれる「AI外貨予測」
2008年に、三菱東京UFJ銀行とKDDIが共同出資で設立したインターネット銀行である「じぶん銀行」。スマートフォンアプリをメインに金融サービスを提供しているじぶん銀行が展示していたのは、外貨預金サポートツールの「AI外貨予測」だ。

これは、じぶん銀行とフィンテックベンチャーであるAlpacaDB Inc.(以下アルパカ)が共同で開発したシステムで、じぶん銀行の顧客向けに提供しているツールである。アルパカが保有している膨大な外国為替相場のバックテストデータに基づいており、AIを活用して外貨預金取引をサポートしている。

「AI外貨予測」は、じぶん銀行のアプリ内で利用が可能だ。「1時間以内」「1営業日以内」「5営業日以内」の為替相場の変動を予測し、その結果を緑(上昇トレンド)、赤(下降トレンド)、グレー(レンジ相場)の顔アイコンで表示する。ちなみに予測の対象となる通貨ペアは、「米ドル」「豪ドル」「ユーロ」「南ア・ランド」「NZドル」の5つがある。

じぶん銀行では現在、「次世代」のAI外貨予測を開発中で、その特徴は向こう1カ月間の「最安値の日を当てる」というものだ。現在のAI外貨予測は、アプリを開いた瞬間に今日上がるか、下がるかを示すだけで、開いた瞬間の状況しかわからない。しかし、次世代のAI外貨予測では、AIが為替相場の分析結果を基に最適な積み立て日を選んで、自動的に外貨の積み立てを実行してくれる。これにより、顧客は為替相場に一喜一憂することなく、外貨預金を安心して積み立てることができる。

次世代AI外貨予測は、2018年3月のリリースを目指している。

カブドットコム証券

デジタル通貨「OOIRI」のほか、超高速リアルタイム処理技術を活用したチャートツール「Alpaca Search」も展示

・社員同士のコミュニケーションに利用 デジタル通貨「OOIRI®」
オープンイノベーションの積極的な推進を行っているカブドットコム証券は、ブロックチェーン上で発行するデジタル通貨「OOIRI®」を紹介した。

カブドットコム証券が「OOIRI®」を企業内コインとして活用を検討したのは、2016年10月のこと。そこからZEROBILLBANK社と共同開発し社内の一部でテストを行ってきたが、2017年9月、社内電話として全社員に配布されたiPhone端末(KDDI提供)を活用し、社内で表彰制度(サンクス賞)「OOIRI®」として本格的に導入を開始した。

使い方は、仕事で助けてもらったときなどに「ありがとう」のメッセージとともに「1 OOIRI」を相手に送信したり、ジオフェンシング技術の活用によって、定時に退社した社員がわかるとその社員に「10 OOIRI」を配布するといったもので、現在は社員同士のコミュニケーションの一環として使用している。

半期毎の累積上位者に表彰を予定しているが、ゆくゆくは顧客向けサービスへの展開を検討している。

・ パソコンやスマートフォンが苦手な人でも使える 視覚や聴覚に訴える「IoT株価連動センサー」
カブドットコム証券ではKDDIと共同で、IoTセンサーを活用して株価情報を顧客に伝える「IoT株価連動センサー」も発表した。パソコンやスマートフォンが苦手な人でも利用できるよう、視覚や聴覚に訴える仕様になっている。

検討している活用の流れはこうだ。まず、株価の上昇・下落を、センサーを使って専用の端末を持っている顧客に色で知らせる。株式を売買したい顧客が端末のボタンを2度押すと、それがカブドットコム証券のコールセンターに送られ、コールセンターから顧客に折り返し電話をして、株式の注文を受けるというものだ。

スマートフォンを使えば、簡単に株式の売買ができる昨今だが、一方でパソコンやスマートフォンが苦手な人もいる。そういう人たちでも、証券会社に足を運ぶことなく、自宅にいながら売買のチャンスがわかり、さらには株式売買の注文ができるというわけだ。現在はまだ新技術を発表した段階だが、今後さらに実証実験を進めていく予定である。

この他、カブドットコム証券では、人工知能と並列ベクトル計算による超高速リアルタイム処理技術を活用したチャートツール「AlpacaSearch for kabu.com 」(Alpaca DB Inc.社と共同開発)や、自動決算分析レポート「xenoFlash for kabu.com」(xenodata lab.社と共同開発)などを展示した。後者は自然言語処理を核とした企業分析AIで、決算発表後、瞬時に決算発表内容の要点をまとめ、インフォグラフィックスによりわかりやすいUIで提供するシステムだ。

この2つはすでにリリースされており、同社の提供する取引ツール「kabuステーション®」のFintechプラン適用となったお客さまが利用を開始している。

金融の姿を変える新技術の展示とあって、三菱UFJフィナンシャル・グループのブースは大勢の来場者で賑わい、盛況のうちに閉幕を迎えた。

(提供:MUFG Innovation Hub

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