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国際ICOイベント「ICO-Hypethon」ロシア屈指のIT都市で開催

2017年8月、ロシアのサンクトペテルブルクで、世界初の国際ICOイベント「ICO-Hypethon」が開催された。

ハッカソン、アクセラレーター、インキュベータ―、カンファレンス、そしてフェスティバルの要素を融合させた、新感覚のテクノロジー・ネットワーキング・イベントだ。

ベスト・プロジェクトに選ばれたスタートアップは、2万ドルの賞金のほか、48時間以内にプレICOを開始するチャンスが与えられる。今秋にかけて、香港や上海でもそれぞれのプロジェクトが選ばれ、最終選考はシンガポールで実施される。

ICOの流れがネガティブに傾きつつある今、投資家にとってもスタートアップにとっても、安全で持続的な利益を生みだすICO環境の創造に貢献しそうだ。

国際都市を駆け巡るICOハッカソン

(写真=dimbar76/Shutterstock.com)

サンクトペテルブルクは、MicrosoftやGoogle、VKを含む国際IT企業が長年にわたり支社を構える、ロシア屈指のIT都市である。そんなサンクトペテルブルクで、DeloitteやBitcoin foundationなど、国際大手からバックアップを受けた、大規模なICOイベントが開催された。

アジア地域を中心に開催されているマラソン形式のスタートアップ・コンペティション・プログラム「Block Show」の一環で、9月には香港、シンガポール、クアラルンプール、上海、10月にはバルセロナとニューデリー、11月には再びシンガポールにて、最優秀プロジェクトが選ばれる。

各イベントの目玉は、参加スタートアップによるプロジェクト・アイデアの中から、IT、法律、ビジネスのプロが「ベスト・プロジェクト」をいくつか選び、ベテランメンターの支援の元、48時間以内にプレICOにつなげる 。ベスト・プロジェクト・チームには、2万ドルの賞金が贈られる。

プロジェクトには、イーサリアムとWavesのプラットフォームを用い、最終的には26のプロジェクト完成を目標としている。

第1弾の勝者は英国の「CryptoPay」

第1弾となったペテルブルクでのイベントには、ICOの専門家からスタートアップまで、世界中から集まった参加者達が、新たなイノベーションの創出に向けて、さまざまな発想や情報、意見、知識を交換する機会を得た。

ゲスト・スピーカーにはイベントのプロモーター、CryptoFriendsのメンバーでもある、ブロックチェーンや仮想通貨のプロが勢揃いした。

ブロックチェーン・プラットフォーム「Wave Platform」のサシャ・イワノフCEO、クリプトペイ・ウォレットやデビットカード「CryptoPay」のエリック・ベンズCEO、ビットコイン・ニュースサイト「Bitcoin Chaser」の設立者、マーク・ケニングバーグ氏、ロシアを代表するFinTech決済スタートアップ、Qiwiのチーフ・ブロックチェーン・オフィサー、アレクセイ・アルヒーポフ氏など、ブロックチェーン市場で経験と実績を積んだ国際的な面々だ。

今回のイベントで最高スコア(8.8ポイント)を獲得したのはCryptopayで、ブロックチェーンCPA ネットワークを提供するAffchain(7.9ポイント)、ブロックチェーン・ソーシャルイベント・プラットフォーム、KickCit(7.7ポイント)とともに、ベスト・プロジェクトに選ばれた。

Coin Telegraphの報道によると、イベントで調達された1億ドル以上の資金のほとんどは、Cryptopayと4位のInkChainが獲得した。Affchain やKickCit 、Uberfood(7位)なども、投資家との交渉中だそうだ。

「ICOで得た開発チャンスを最大限に活かせる環境」をスタートアップに提供

ICO-Hypethonの主催にはCrypt Friendsのほか、ブロックチェーン・マーケティング・コンサルティング企業、Eberhard Lindfordtも携わっている。Eberhard Lindfordtはブロックチェーンの知識と経験にたけた専門家による、ICOのコンサルティング・サービスも提供している。

Crypt Friends やEberhard Lindfordtは6月にも、ICOのトレンドや戦略、マーケティングに関する情報を提供する場として、「Crypto Friends Meetup」というイベントを催した。

Crypt Friends によるICOを利用したブロックチェーン促進への精力的な取り組みは、「革命力を備えたスタートアップが、ICOで得た開発チャンスを十分に活かせるように」との配慮に基づいている。

ICOで資金を獲得したまではいいが、「十分な支援を専門家から得られない」という理由で、せっかくのチャンスを活かしきれない――といった、ネガティブなループが出来上がってしまっては意味がない。

中国のICO廃止など、ネガティブな流れによる影響は?

前述した通り、ICO-Hypethonは今後他国での開催が予定されている。9月に入り、中国でのICO禁止令を筆頭に、ICOの流れが変わり始めている点が気にかかる。

何らかの影響はないのだろうか。ICO-Hypethonのサイトを見る限り、現時点(9月16日)ではイベントの延期や中止は発表されていない。

ICO-Hypethonの本来の目的は、スタートアップと世界一流の専門家、そしてICO投資家との懸け橋の役割を果たすことである。

トークンを発行する上で重要となる法的アドバイスから技術面でのサポートまで、スタートアップにとっても投資家にとっても、安全で快適なICO環境を提供することが、任務の一つだと宣言している。

この点についてはEberhard Lindfordtの設立者、ドミトリー・マチキヒン氏が、7月に指摘していた。マチキヒン氏は「ICOや仮想通貨の規制環境が整備されておらず、粗悪なプロジェクトが多過ぎる」とし、投資家や専門家の警戒心を煽る原因として挙げた。

中国のほか、米国やシンガポールなどでも、ICOや仮想通貨に対するネガティブな見解を政府が示しているが、それらは根本的に、「不透明さが犯罪行為に利用されている、あるいは利用される可能性がある」という、特殊な環境における無法地帯化に基づいたものだ。

ICO-Hypethonは、インターネットという顔の見えない空間をオープンな環境へと移行させ、スタートアップと投資家が新たなイノベーションに専念できるチャンスを生みだしてくれるだろう。

(提供:MUFG Innovation Hub

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