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ICO時代の幕開け 注目のプレセール、快進撃は続くのか?

「関連ニュースや発表を聞かない日がない」といっても大げさではない程の急成長を遂げたICO(Initial Coin Offering)市場が、今後さらに本格化すると予想されている。30秒で3,500万ドル(約39億円)を調達するという、記録を打ち立てたブラウザ開発スタートアップのBraveを筆頭に、予想を上回る勢いで続々と新しいICOが登場している。

5月には1日1件ペースに急成長したICO

ICO
(写真=g0d4ather/Shutterstock.com)

ICOの概念自体は過去数年にわたり議論されてきたが、実現と共に注目を浴び始めたのはつい最近のことである。ICOはオンラインを通して投資家から資金を調達するという点で、クラウドファンディングと共通の特性があるが、さらにトークンと仮想通貨を介在させることで、より幅広い利益創出の機会を投資家に提供しているといえるだろう。

CrunchBaseがToken Market6月のデータを分析したところ、2017年3月から5月にかけて、ICO件数は6倍に増加しているという。ピークとなった5月には30件を突破しており、単純計算すると1日1件のICOが行われていた、というペースだったことになる。

「次世代広告システムの構築」で、ICOの記録を塗り替えたBrave

ICO人気を一気に盛り上げる起爆剤となったのは、3月にICOの記録を塗り替えたBraveの快挙だろう。

独自の仮想通貨「BAT(Basic Attention Token)」10億枚、約16万ETH弱が瞬く間に完売した他、ユーザー獲得や「BAT開発」目的で、さらに5億枚のBATが発行されたという。

JavaScriptの考案者であり、ウェブブラウザMozillaの共同設立者という経歴を持つブレンダン・アイヒ氏が立ち上げたBraveは、オンライン広告やトラッカーを自動的にブロックする高速ブラウザの開発・提供をとおし、新たな広告システムの構築を目指している 。

ブロックチェーン技術を利用して、広告主からユーザーまで全関係者が利益を共有するというコンセプトで、既にユーザーが好きなサイトに少額を寄付できる「Brave Payments」という機能も採用している。

単なるアド・ブロッカーに留まらない長期にわたる展望への期待が、ICO史上最強の記録を打ち立てたのだろう。

大型ICO、分散型アプリケーション「EOS」が約258億円を調達

2017年の大型ICOとしては、これまでに以下が行われてきている。

2月:スイスのデジタル資産取引プラットフォーム「Lykke」が約197万ドル(約2億2,000万円)
4月:ブロックチェーン・プロジェクト「Cosmos Network」が1,680万ドル(約18億6,000万円)
      分散型予測市場「Gnosis」が1,225万ドル(約13億6,000万円)
5月:トークンベースのデビットカード「Token Card 」が1,270万ドル(約14億1,000万円)
6月:分散アプリケーションの「EOS」が約2億 3,200万ドル(約258億円)

現在進行形のものでは7月末に終了するマイニング・ソリューション「Giga Watt」が、既に1,867万ドル(約 20億7,000万円)を調達している他、イーサリアムベースのクラウドファンディング・プラットフォーム「FundYourselfNow」、安全性に優れたほぼ手数料ゼロという次世代決済システム「ATBcoin」などが、話題を呼んでいるようだ。

最新のICOリストは「Token Market(https://tokenmarket.net/)」や「ICO Countdown(https://www.icocountdown.com/)」などで、随時更新されている。

9割が「無益なトークン」になりかねない?リスクに警鐘

しかしICOの過熱と共に、警鐘が鳴らされ始めた事実にも注意を払っておくべきだろう。ICOに注目が集まるほど、ICOを通じた資金調達は楽になると予想される。新たなプロジェクトへの夢や野望が膨らみ、投資家も後押しする流れがあるうちはいいが、この流れは弱まる可能性もある。

ICOでトークンを購入するということは、プレセールの特典を満喫する以前に、ベンチャー投資を行うということだ。「ベンチャー企業やスタートアップで成功するのは、わずか1割」と言われているだけに、ICOの9割が「ただの紙くず(デジタルくず)になりかねないトークン」を発行している可能性も否定出来ない。既に詐欺あるいは詐欺まがいのICOも行われている、との意見もある。

このような懸念を受け、中国人民銀行がICOに関する規制の導入を視野に入れていると報じられているほか、韓国でも同様の動きがみられるようだ。今後、ICOに関する何らかの枠組みが導入される可能性は否定できず、盛り上がりの反面で規制の動向にも注視が必要だといえそうだ。(提供:MUFG Innovation Hub

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