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オープンAPI、スピード決済など「スマートバンキング」計画発表――香港

香港の中央銀行に値する香港金融管理局(HKMA)がリテール銀行業務改革の一環として、スピード決済やオープンAPIの開始など、様々な試みを計画していることを明らかにした。

一時は勢いがついたかのように見えた香港FinTechだが、アジアFinTechをリードするシンガポールや中国本土には大きく差をつけられている。そうした壁を打ち破り、香港を未来の金融セクターの第一線に押し上げるという野心が感じられる。

FinTech促進は、次世代金融市場に対応する上で欠かせない

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

国債相場市場サミットに参加したHKMAのノーマン・チャン(陳徳霖)総裁は、香港FinTechが伸び悩んでいる現状を懸念し、今後「金融サービスのブランド」として成長させる意気込みを語った。

チャン総裁は数年後の金融サービスが、今とはまったく異なるものへと移行していると確信しており、そうした変化に対応する上で、香港FinTechの促進が非常に重要である点を強調している。

現時点ではP2PおよびP2Bのネットワーク向上に向け、スピード決済システム(FPS)を2018年9月に開始する予定だ。また複数の決済システムで利用可能な共通QRコード基準の開発にも乗りだしている。

オープンAPIの開発については、銀行産業と共にフレームワークの構成を協議中で、年内に方向性を決定する予定だ。

「テクノロジーと銀行業務を融合させ、ベストな結果を引き出す」

チャン総裁曰く、最早、inTechは銀行とスタートアップの競争という域を超え、「テクノロジーと銀行業務を絶妙に融合させることで、いかにベストな結果を引き出すか」の一点に尽きるという。

HKMAは2016年以降、FinTechスーパーバイザリー・サンドボックス(FSS)というパイロットテスト用の規制緩和環境を、銀行やスタートアップに提供している。2017年9月の時点で、銀行9行が23種類のデジタル商品(API、バイオメトリクス認証、チャットボットなど)をテストするなど、新たな商品の開発に利用されている。

今回の発表には、FSSのアップデートも含まれており、チャットルームの追加やチャットルームを通したフィードバックへの直接アクセスなど、ユーザーの利便性が考慮されている。

今後も銀行と提携することで、規制条件の見直しなども含め、よりユーザーフレンドリーな環境に作り変えていくとの意向だ。そうした努力の積み重ねが、消費者経験の向上につながる商品およびサービスの開発につながることを期待している。

HKMAの意気込みは他国の中央銀行にも通じるものがある。FinTechという時代の変化を、金融サービスの向上や持続的な成長の糧にするという発想は、今後もさらに強まっていくだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)