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Chatbotを使い金融窓口で存在感を高めるFacebook Messenger

SNSは人々のコミュニケーションのあり方を大きく変えた。それは間違いないだろう。

実際のところ、日本ではミクシィやグリーが、アメリカではFacebookを中心に、SNSが隆盛を極めIT・テクノロジー企業の筆頭ともいえる立場を確立してきた。

今では多くの人々が慣れ親しんだSNS発のメッセージアプリ、特にFacebook MessengerとAIを組み合わせて作ったチャットボットが金融の新たな顧客との接点としての存在感を高めてきている。その現状と背景を今回は概観してみよう。

Wells Fargo でも始まったMessengerアプリの顧客対応

(写真=Zapp2Photo/Shutterstock.com)

チャットボットはテキストなどの形式で入力されたユーザーからの質問に対して自動で応答するプログラムを中心につくられており、ユーザーが会話するような調子で疑問について尋ねたり、情報収集したり、予約などの手続きをできるようにするサービスだ。

Facebook Messengerの他にも、LINEやSlackといったコミュニケーションアプリが採用しているインタ―フェイスを使って、プログラムやAIが、あたかも人が対応しているかのようにユーザーに対応する機能である。

AIの能力の向上により、人間が話しかけたり質問したりした時にも、より違和感のない受け答えが可能になってきている。特に、Facebookが新機能や先進的な取り組みを紹介する開発者向けのイベント「F8」で、2016年に、Messenger上で機能するチャットボットを紹介し、注目を集めた経緯があり、さまざまな場面で取り上げられてきた。

チャットボットを活用して顧客へのサービスを充実させる動きは金融業界でも始まっており、テクノロジーの活用に積極的なアメリカで顕在化してきている。

最近の例でいえば、米大手銀のWells Fargoが2017年4月に、AIも活用したFacebook Messengerで動くチャットボットのパイロット版の活用を開始したと公表しており、チャットボットの実用化に踏み切った。具体的には、顧客の銀行口座の残高の照会に回答したり、最寄りのATMの場所を知らせたりする機能を搭載しているという。

Wells Fargoからの公表時点では、数百人の社員が試した後、数千人の顧客がテスト環境での使用に招待される予定だといい、現時点ではすでに現実に活用が進んでいるはずだ。

メッセージアプリの活用に他社も続々

そうした中で、多くの金融機関が顧客との接点強化という効果を狙ってチャットボットを自社のサービスに取り入れ、顧客満足度を高めようとしている。米大手金融機関のその他の例では、Western UnionもFacebook Messengerの活用を進めている。

Western UnionのFacebook Messengerチャットボットでは、顧客は世界の国々への送金を指示したり、送金状況の確認、あるいは最寄りの支店の場所を尋ねたりできるという。さらに、Bank of AmericaもFacebook Messengerのチャットボットを顧客対応に活用する方針を公表しており、現状ではテクノロジーの活用に積極的な金融機関が、続々と取り入れている。

変わった取り組みとして、LINEを使った残高照会を可能にするサービスも登場している。具体的には、ユーザーはLINEでチャットボットとつながれば、専用のスタンプを送ることで、残高照会を指示できるようになるというものだ。そのスタンプを受け取ったチャットボットが、残高のデータをメッセージタイムラインに返す仕組みだ。

他方で、銀行サービスへのチャットボットの活用に問題がないわけではなく課題もある。例えば、ユーザーが口座の持ち主の本人であることを確かめる認証プロセスを確かなものにできるかといった問題もある。

他にも、ハッカーの攻撃などにさらされかねず、セキュリティやプライバシーを守る対策を行えるかも問われるだろう。また、ユーザーの操作ミスで間違った処理が行われてしまった場合に、どのように対応するかといった課題もあるかもしれない。

このようにいくつかの課題はあるが、米大手銀が続々と取り入れ始めていることを考慮すれば、チャットボットの活用が金融機関でも進んでいく趨勢だと見て間違いはなさそうだ。

(提供:MUFG Innovation Hub

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