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新感覚、低コストなテーマ型投資「モチーフ・インベスティング」

米オンライン証券スタートアップ、モチーフ・インベスティングが提供する、企業ではなく「モチーフ(主題、テーマ)」が投資対象という新しい資産運用が話題を集めている。少額投資とユニークなテーマに沿った株やETFへの投資で、誰でも簡単に資産運用可能な環境を創出することに成功した。

忙しい現代人の生活スタイルに合わせた「モチーフ・インベスティング」

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(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)

モチーフ・インベスティングは「個人企業家やアドバイザーがテーマに沿って手軽に利用できる革命的なオンライン投資」というコンセプトのもと、Microsoftのエクゼクティブだったハーディープ・ワリアCEOが立ち上げた。

2010年の設立以来、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースを含む大手国際企業から、ボストン・コンサルティング・グループのカール・スターン元会長など金融産業の専門家が個人的に出資するほど、高い信用を誇るまでに成長を遂げている。

米国の自主規制機関であるFINRA(金融取引業規制機構)、補償基金のSIPC(証券投資者保護公社)に加盟しているという点でも信頼性が高いといえよう。

「初心者には簡単に手がだせない」「まとまった資金が必要」といった資産運用にありがちな先入観を、少額投資とテーマに沿った株やETFへの投資で「誰でも簡単に資産運用可能な環境」を創出している点が斬新だ。口座開設から購入まですべてのプロセスがオンライン化されている点も、忙しい現代人の生活スタイルにマッチしている。

初心者向けと上級者向けの2種類の口座から選べる

具体的にはどのようなものなのか。口座の開設はオンラインで可能だ。自分の目標や価値観に合わせてテーマを選んでくれる完全自動型「インパクト・ポートフォリオ」は、最初の10万ドルまで月額利用料が一律9.95ドル。大きな損失が生じた場合、手数料が無料になるという保証付きだ

好みのテーマを「プロフェッショナル」と「コミュニティー」の2種類から選んで自分でポートフォリオを構成する「トレーディング・アカウント」は、1株につき4.95ドル、または1テーマ9.95ドルの利用料がかかる。月額利用料が最低9.95ドルの契約型プランを選択することも可能だ。勿論、両方の口座を開設することもできる。

バイオテックから日本の金融緩和政策まで、1万3,000種類の豊富なテーマ 

投資分野は23種にわたる。金融、医療、グリーンエネルギー、テクノロジー、新興市場、不動産、ゲームなど実に豊富だ。

投資対象となるテーマは貴金属、シェールガス(天然ガス)など馴染み深いものから、3Dプリント、バイオテック、米利上げ、Too Big to Fail(破たんすると過度の影響を与える金融機関)、国際ベア・マーケット(弱気市場)、サイバー・セキュリティー、日本の金融緩和政策などユニークなものまで1万3,000種類を超える。

一例を挙げると「トップ・ロボティック・パフォーマー」というロボティック技術会社の業績に焦点を当てたテーマでは、米ロボット設計企業、アイロボット・コーポレーションの株(59.5%)を中心に、イスラエルのMazor Robotics (20.6%)、ブルックスオートメーション(12.5%)など合計6社のロボット関連企業株でポートフォリオが構成されている。(ポートフォリオは2017年4月13日時点)

ウェブサイト上では各種のテーマのうち、過去30日間の「勝ち組・負け組」が一目でわかる工夫がされている点も、興味をかきたてられるポイントだ。

投資初心者にも優しい自動選択ツール、テーマ共有機能など

「ここまで種類が多いとどれを選ぶか迷ってしまう」という投資初心者のためには、自動選択ツールが設けられている。

例えば筆者が「現在44歳。70歳までに老後のための低リスクな資産運用を希望」と入力すると、「環境保護」「公正労働」「企業の社会的責任」という3つのテーマが提案された。ポートフォリオ構成は米国債(24.0%)を中心に、米国株(23.2%)、国際株(18.0%)、先進国株(12.3%)、新興国株(10.9%)、米不動産株(8.1%)、コモディティー株(3.3%)と、非常に細かに振り分けてくれている。

テーマ選択後の変更やテーマにはない米主要上場株やETFを口座に追加することも、オンライン上で簡単にできる。ただしひとつの口座で保有可能な株やETFは、最大30種と制限されている。そのほかのユーザーとのテーマ共有機能などで、コミュニティー要素も盛り込まれている。

投資初心者から資産運用にこなれた投資家まで、それぞれのスタイルに合わせて気軽に楽しく透明性の高い投資を楽しめるといえる。「わかりづらい」「面倒」だった金融取引をユーザーの目線で構成し直して提供しているところが、FinTechの本質を捉えているサービスであるといえよう。(提供:MUFG Innovation Hub

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