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銀行エクゼクティブらの9割弱が「銀行の収益が奪われる」と確信

PwC(プライス・ウォーターハウス・クーパース)の調査から、世界71カ国・地域の金融機関およびFinTechエクゼクティブ1300人中、88%が「銀行の収益がFinTech企業に流出すると確信している」ことなどが判明した。

しかし金融機関側は「利益創出の唯一の手段はイノベーションへの参戦」であることを認識しており、FinTech企業と提携することでともに成長を目指すという前向きな姿勢が強く伝わってくる。

8割が5年以内に「FinTech企業と提携」

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

FinTechがけっして一過性の流行りものではないと証明された今、金融機関が体感していた「脅威」は「チャンス」に変化しつつある。

調査に協力した金融機関エクゼクティブの45%が「実際にFinTech企業と提携を結んでいる(前年比13ポイント増)」と回答。さらに82%が「今後3年から5年以内にFinTech企業と提携したい」と考えている。また同期間中に77%が「生産システムへのブロックチェーンの導入を検討」している。

ほかにも56%が「イノベーションが最優先事項」、77%が「革命に内部から取り組んでいく」と積極性を見せている点からも、金融機関側の意識改革のほどがうかがえる。「スタートアップの買収を検討している」のは31%と、昨年の調査から9ポイント増えた。

最も影響を受けるのは消費者バンキング?8割がスタートアップを意識

「今後5年間にわたるFinTechの影響」を最も深刻に予想しているセクターは、消費者バンキング(72%)。次いで資金移動・決済(54%)、投資・ウェルス・マネージメント(36%)、中小企業向け業務を含む商業用バンキング(35%)、保険(25%)などだ。

75%が「スタートアップが絶対的な脅威になる」と考えているほか、55%が「SNSおよびインターネット・プラットフォーム」、50%「大手IT企業」、37%が「eリテーラー」をライバル視している反面、同業者の動きを警戒しているのはわずか28%しかいない。

FinTech企業が大きな存在感を示しそうな分野としては、決済(68%)、個人貸付(58%)、資金移動(56%)、ウェルス・マネージメント(52%)、従来型の貯蓄(48%)、保険(42%)という予想だ。

半数が頭を悩ませるデータ規制 RegTechが救世主に?

テクノロジー投資としては、大手FinTech企業の40%が注目のAI(人工知能)技術に投資しているのに対し、大手金融機関の割合は30%と大きく遅れをとっている。

各国の政府がFinTechをめぐる金融規制改革に乗りだしてはいるものの、規制がイノベーションのさまたげになりかねないとの見方も強い。54%にとって「データ・ストレージ」、50%にとって「プライバシー」、48%にとって「保護」が最大の壁となっている。

しかし規制と技術を融合させたRegTechの実用化が盛りあがりを見せ始めていることから、実用的かつ効果的なソリューションが期待できるはずだ。(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)