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三井住友銀行「失敗が許される組織、誰も思いつかないアイデアでイノベーションを起こそう」

インタビュー:ITイノベーション推進部 竹田達哉(オープンイノベーショングループ長)、天野麻依子(同グループ)

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【Sponsored】ITイノベーション推進部の竹田達哉氏と天野麻依子氏

メガバンク各行のFinTech(フィンテック)への取組が注目されている。しかし、「金融をITでより便利なものにする」という意味では、三井住友銀行もずっと以前から取り組んできた。昨今のFinTechに対する注目の高まりを受け、同行は昨年、オープンイノベーションの取り組みを加速させるために「部」を立ち上げ、外部から優れた人材を獲得している。ITイノベーション推進部でグループ長を務める竹田氏と、この程IT企業から同行に入行した天野氏に、部の業務や同行が目指すイノベーションについて聞いた。

実現できそうな、既成概念にとらわれたアイデアは要らない

――ITイノベーション推進部の仕事について教えてください。

竹田 2012年にITネット化タスクフォースをつくり、翌年にはPT(プロジェクトチーム)にして、そちらで取り組んできた分野ですが、さらに強化すべく昨年10月に部として立ち上げました。全体で30人ぐらいの組織で、もともと銀行にいたメンバーは半分ぐらいで、半分はキャリア採用です。IT業界、コンサル……変わったところだと鉄道会社でICカードの企画をやっていた者もいます。

グループは2つあって、私がグループ長を務めているオープンイノベーショングループの役割は、ベンチャー企業やベンチャーキャピタル、政府系機関、欧米金融機関などと関係を作り、そこで得た情報をもとに新しいアイデアを生み出すことです。このアイデアをもとに、もう1つの業務推進グループが主に目に見えるカタチにします。アプリを作ったりコードを書いてPC上で動くようなものにしたりといったことです。

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2つのグループが両輪になって、調査、アイデア出しから、カタチにするところまで一気通貫でできる体制なのが特徴です。目先ではなく、5年ぐらい先に世の中がどう変わっているだろうかというところを見据えて、今出ているテクノロジーを使ってアイデアを作り、ビジネスの種をまく。中長期的な目線で将来やってくる世界観をもってビジネスをしています。

具体的には注力しているいくつかの領域があって、API(Application Programming Interface)やIoTに取り組んでいます。ブロックチェーンやビッグデータなども扱っています。

――選考の過程は? どういう人材が欲しいのでしょうか。

竹田 最初は人事部で適性や希望業務を確かめます。その面接でITイノベーション推進部の業務に興味があることが分かったら、次は私と副部長が面接をして、その後に部長の面接でだいたい決まります。

 技術が分かるかどうかも大切ですが、今までの既成概念にとらわれることなく、新しいアイデア、発想をどんどん生み出せるかどうかの方が大切ですね。

――そのアイデアというのは、できそうなものなのか、「それは思いつかないな」というものなのでしょうか。

竹田 どちらかというと、「思いつかないな」のほうがいいですね。できるかどうかを考えている時点で、既成概念にとらわれているということですので。

――金融は何かと規制の多い業種かと思います。

竹田 銀行だからできることが少ない、規制に縛られているという時代は終わりつつあると思っています。5月には銀行法が改正されて、IT企業を子会社にできるようになりましたし、金融に関連するビジネスなら金融庁の認可を得て新しくできるようになった。金融機関とほかの業種との垣根がどんどんなくなっているんです。

なぜ私は三井住友銀行を選んだのか

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――天野さんは最近参画されたそうですが、前職は?

天野 IT企業にて、システムエンジニア、コンサルタントを経てマーケティングに従事していました。直近では、新規ビジネス創出を手がけていました。その取組の中でFinTechも手がけていたため、「金融の未来がITで大きく変わろうとしている」という場面を目の当たりにしました。「FinTechでイノベーションを起こしたい」という思いのもと、ITプロバイダーの支援する立場ではなく自らチャレンジできる環境である銀行への転職を決意しました。

――転職先として複数候補があったと思うのですが、なぜ三井住友銀行を選ばれたのですか。

天野 めざしている将来像や考え方に共感できたことです。加えて、ITイノベーション推進部のメンバーと一緒に働きたいと思ったことですね。カジュアル面談でメンバーに会ったり、竹田と話したりするなかで、全員の業務に携わる際のマインド、思いが強いことを感じました。常に視点を変えながらチャレンジしていて、働く環境として魅力を感じました。

――入ってみて感じたこと、いまはどんな仕事を?

天野 入行して感じたことは、とても柔軟に変化を求めている環境であるということです。歴史もある企業ですから、「ここに染まること」を求められると思っていましたが、そうではなかった。入ってすぐ、「外からの目線で何か『おかしい』と思うところをいつでも教えて欲しい」と言われたのが印象的でした。

私はAPIの推進を担当しているのですが、銀行自身が変わっていこうとしていることを感じています。新しい金融サービスを打ち出していこうという気風もありますし、在宅勤務を始めとする働き方改革も進めています。個人にも大きな裁量をいただけていますね。

チャレンジする人が評価される仕組み

推進部のメンバーが企画だしなどで使う部屋は、明るいフロアマットに、バランスボールなど銀行らしからぬグッズも置かれるなど、創造性を刺激する工夫が施されている
推進部のメンバーが企画だしなどで使う部屋は、明るいフロアマットに、バランスボールなど銀行らしからぬグッズも置かれるなど、創造性を刺激する工夫が施されている

推進部のメンバーが企画だしなどで使う部屋は、明るいフロアマットに、バランスボールなど銀行らしからぬグッズも置かれるなど、創造性を刺激する工夫が施されている

――ほかの部署と比べてITイノベーション推進部はどういう雰囲気ですか。

竹田 キャリア採用の比率が高いので、独特のカルチャー、雰囲気はあると思います。またイノベーションを起こすというのはそう簡単なことではないことは、当然経営陣も分かっています。わたしたちは常々「失敗してもいいから、チャレンジしてほしい」と言い続けています。

もちろん単に失敗するのではなくて、それを糧にできないといけない。うまくいかなかった理由を分析して、次や別の事業のための改善事項やポイント、気づきを得ることが大事です。

――各行ともFinTechには注力していると思いますが、御行のユニークな点は?

竹田 組織としては、アイデアを出すところから作るところまで一気通貫でできる体制を整えていること。新しく入ってきた方も、自分にアイデアがあればそれをすぐに実現に向けてモノを作るところまで進められるのは、一つユニークな点だと思います。

やはりアイデアや技術をもっている方は、目に見えるカタチにできることに喜びを感じるはずなので、それを実現しやすい組織であるというのは確かでしょう。

当行も今年の夏にAPIを使ったハッカソンをやります。ハッカソンはいろいろな企業が開催していますが、APIは今、金融機関では非常にホットなテーマですし、業界間の垣根をなくすツールの一つなので、非常に大事な取り組みだと思っています。実はハッカソンの企画や準備は入社して1カ月の天野にリーダーとして統括してもらっています。多分『いきなりこんなに働かされるのか』と思っているでしょうね(笑)。

――ベンチャーだったらそれも当たり前かもしれませんが、メガバンクで入行1カ月だと「まだ研修中」というようなイメージでした。

竹田 世の中のスピードがどんどん速くなってきていて、ベンチャー企業のスピードに我々もついていかないといけない時代になっていると思っています。だから、やり方も変えないといけないし、ベンチャー的な仕事のやり方をどんどん取り入れていって、僕らが銀行のカルチャーを変えていきたいなと思っています。

――チャレンジして失敗すると評価が下がるのではと内向的、消極的になったりします。制度としてチャレンジを評価する指標のようなものはあるのですか。

竹田 評価は各部でそれぞれKPIを置いています。新しいチャレンジしたかどうか、という点も評価しています。みんな常に新しいことを考え続けないといけないので大変ですが、しっかり考えて、実際に手を動かしている人は当然評価される仕組みです。

じっと席に座って考えているだけでは新しいものは生まれません。感度が高いこと、それは金融に関係なくてもいいので、世の中の流れや流行に敏感で、いろいろな物事からひらめきを得ることが必要なので、そういった姿勢を大切にしています。

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